朝起きてネットでニュースを見ていると、「文部科学省局長を受託収賄容疑で逮捕」という記事が目に入りました。
自分の子供を東京医科大学に合格させる見返りに、文科省の支援事業の対象とするよう取りはからったとして、文科省科学技術・学術政策局長が逮捕されたとのこと。
今時でも裏口入学ってあるんですね。
おそらく子どもの実力以上の大学に入学させるため、コネを使うなんてばかだなあと思います。
これ、大学側もまあ間違いなく複数名は知っていましたよね。
(採点結果を誤魔化すなんて1人ではできませんからね)
ニュースを見て、大学職員だった頃のことを思い出しました。
補助金をもらうので、その価値がある大学かどうかを知るため、文科省は大学にたくさんの調査を提出させています。
うちの大学ではこんな研究をやってるよ。
うちの大学は今年はこんなに学生さんが受験してくれたよ。
うちの大学のカリキュラムはこんな感じだよ。
ちゃんと健全に運営してるからね。
そうして報告した内容に無事にOKが出ると、補助金がもらえます。
たいていは書類での報告だけでOKがもらえます。
しかし、新設学部・学科のある大学や、運営に怪しい点がある大学は、書類だけでは足りず、実地調査が入ります。
実地調査では、文科省の職員が大学を訪問します。
大学内を見てまわったり、学生さんにヒアリングしたりします。
ヒアリングは文科省職員と学生さんだけで行うため、大学職員には詳しく明かされませんが、「この大学に通っていてどう? 不満はない?」と聞いたりするそうです。
(大学側としては正直なところ恐怖の時間です。「不満がある」と言われてしまったら、その場でマイナスイメージを持たれてしまいますからね。「先生の授業が分からない」とか「職員の対応が悪い」なんて言われた日には…)
その実地調査のときに、文科省の職員に会ったことがあります。
調査をしに来たのは20代~30代の数名。みんな若手職員でした。
上司と話しているのを聞くと、とても真面目な感じを受けました。
実地調査が終わり、解散となったときです。
今日は大学から少し距離のある場所に泊まる予定だとのことだったので、大学職員が「お泊りのホテルまで車でお送りします」と申し出ました。
しかし、文科省の方に「どこに泊まっているかは明かせないんです」と断られていました。
なんでも、点数アップを狙う大学側が夜に接待に連れ出そうとホテル前に張り込みすることがあるので、ホテル名を大学側に明かすことはしなくなったそうです。
どれだけ必死なんだと思いましたが、昔は横行していたやり方だったのでしょうね。
それを聞いて、「昔のコネ・天下り・接待の横行していた公務員とは違うんだ。時代は変わったんだ!」と感心した記憶があります。
…でも、若手職員だったからかもしれません。
やっぱり、中堅以上になるにつれてドロドロしていくものなのかも。
完全に文科省>大学な力関係で、大学側に下にも置かぬ扱いを受けていれば、そうなっていってもおかしくないのかなあ。
(大学側のその接し方もどうかと思いますが…本来は大学の教育方法や研究内容が充実していれば問題ないのであって、文科省のご機嫌伺いをする必要はないんですからね)
ただでさえここ数年は色々な問題が起こって大変だろうに、局長の逮捕まで起きると、中にいる真面目な職員はつらいだろうなと思います。
真面目な職員が嫌になってまったくいなくなってしまう前に、早く綺麗な組織に変わってほしいところです。